現役ドラッグストア店長が解説!熱中症と間違えやすい病気一覧と見分け方

はじめに|似ている症状を「早く・正しく」見分けよう

夏になると、めまい・頭痛・だるさ・吐き気などの不調が増えます。こうした症状は熱中症でも起こりますが、風邪(感冒)・感染症・日射病(熱中症の一種)・食中毒・脱水症・低血糖症でも起こりやすく、見分けがむずかしいことがあります。
この記事では、熱中症と間違えやすい病気の違いを中学生でもわかる言葉で整理し、チェックリスト・応急処置・受診の目安・予防法までまとめました。万一のときに落ち着いて対応できるよう、ぜひ保存しておいてください。

この記事は一般的な情報をわかりやすくまとめたものです。強い症状や不安がある場合は、ためらわずに医療機関や救急相談#7119 など)を利用してください。


熱中症とは?|原因・主な症状・重症度の目安

原因:暑さで体温調節が追いつかず、体内の水分・塩分(電解質)バランスが崩れることで起こります。高温多湿、激しい運動、直射日光、風が弱い屋内(無風の部屋・車内)でも発生します。

主な症状

  • 初期:めまい、立ちくらみ、こむら返り(足のつり)、大量の汗、のどの渇き、だるさ
  • 進行:頭痛、吐き気、嘔吐、ボーッとする、反応が鈍い、皮膚が熱い
  • 重症:意識障害、けいれん、高体温(40℃前後)、汗が出なくなることも

すぐにやること(応急)
涼しい場所へ移動 → 服をゆるめる → 首・わき・足の付け根・手のひらを冷やす → 経口補水液もしくはスポーツドリンクで水分・塩分を補給
※意識がない・吐いて飲めない・反応が弱い → 救急車を呼ぶ!


熱中症と間違えやすい病気一覧(違いと見分け方)

1. 風邪もしくはインフルエンザ、コロナ等の感染症

似ている点:発熱、頭痛、だるさ、食欲低下。


違いのポイント

  • のどの痛み・くしゃみ・鼻水・せき筋肉や関節の痛みが目立つ → 風邪の可能性が高い
  • 暑い場所で症状が悪化/涼しいと楽 → 熱中症の可能性が高い
  • 風邪は数日かけて徐々に悪化しやすい。熱中症はその日の暑さ・行動直後に出やすい

対応:風邪なら水分・休養・解熱鎮痛薬(市販薬)などで様子見。高熱や強いだるさが続く場合は病院


2. 日射病(にっしゃびょう)/熱射病(ねっしゃびょう)

名前の混同に注意:名前を覚える必要は無いですが、こういう症状があるという事を知っておいてくださいね。(^^;

  • 日射病強い直射日光に当たって起こる熱中症の一種
  • 熱射病熱中症の最重症で、中枢神経の障害(意識障害など)が出る状態。

違いのポイント見分けのヒント)

  • 屋外の直射日光で長時間 → 日射病を疑う
  • 意識がもうろう・会話が成立しない・体温が非常に高い → 熱射病(救急車要請レベル)

対応:日陰へ避難、冷却と水分・塩分補給。反応が鈍い・意識がおかしい → すぐ119番


3. 食中毒

似ている点:吐き気・嘔吐・下痢・腹痛、だるさ。


違いのポイント

  • 食事との関係:怪しい食べ物(生もの・加熱不足・長時間放置)を食べて数時間~1日で発症しやすい
  • 発熱・腹部症状が強い(下痢、便の色が普通ではない・腹痛が中心)
  • 暑さに関係なく、同じ食事をした家族や友人が同時に不調なら食中毒を疑う

対応:脱水に注意し経口補水液でこまめに補給。血便・激しい腹痛・高熱・回数が多い嘔吐は受診を。


4. 低血糖症

糖尿病治療中・食事を抜いた・激しい運動・飲酒後に起こりやすい。

似ている点:ふらつき、冷や汗、動悸、ぼんやり、頭痛。


違いのポイント

  • 甘い物をとると数分~15分程度で改善しやすい
  • 手の震え・強い空腹感が目立つ
  • 暑さと関係なく、食事間隔が空いた/薬の影響で起きやすい

対応:ブドウ糖、砂糖、ジュースなど速効性の糖分を少量ずつ。改善しない・意識がもうろう → 救急へ


5. 脱水症

似ている点:のどの渇き、尿量低下、めまい、頭痛、だるさ。


違いのポイント

  • 脱水は発熱・下痢・嘔吐・利尿薬の使用・高齢者の水分不足でも起こるため、必ずしも高温でなくても発生
  • 熱中症は暑さ・活動との時間的な関連が強い
  • 口の中が乾く・皮膚や唇が乾く尿が濃いなどの脱水サインに注目

対応経口補水液での補水が基本。吐いて飲めない・意識がはっきりしない → 受診。


現場で役立つ!見分け方チェックリスト

次の質問にはい/いいえで答えて、当てはまる項目を手がかりにしましょう。複数が重なることもあります。

  1. 暑い場所・運動・屋外活動の直後に始まった? → 熱中症の可能性
  2. 直射日光に長時間当たっていた? → 日射病を疑う
  3. のどの痛み・鼻水・せきがある? → 風邪の可能性
  4. 食事の数時間~1日後に吐き気・下痢・腹痛? → 食中毒の可能性
  5. 甘い物をとると楽になる?手の震えや強い空腹感がある? → 低血糖症を疑う
  6. 尿が少ない/濃い・口や皮膚が乾く? → 脱水症の可能性
  7. 意識がもうろう・会話が成り立たない・呼びかけに反応が弱い? → 重症(熱射病など)。救急要請

迷ったら「まず冷やす+水分・塩分補給」。改善しない、反応が悪い、飲めない場合は速やかに医療機関へ。


正しい応急処置|熱中症を疑ったときのステップ

  1. 涼しい場所へ日陰冷房の効いた部屋・車内は避ける(車は高温になるため危険)。
  2. 衣服をゆるめる:ベルトや襟元をゆるめ、首・わき・太ももの付け根を保冷剤・ぬれタオルで冷却。
  3. 水分と塩分経口補水液(OS-1など)やスポーツドリンクを少量ずつ。水だけ大量は逆効果のことも。
  4. 休む:症状が軽くなってもその日は無理をしない
  5. NG行為:意識がはっきりしない人にむりやり飲ませる/アルコールで冷やす/急に氷水をかけ続ける(低体温の危険)。

受診の目安(大人・子ども共通)

  • 意識障害・けいれん・反応が弱い
  • 水分がとれない/吐いてしまう
  • 高体温(目安 38.5℃以上)や強い頭痛が続く
  • 下痢・嘔吐が止まらず脱水が強い(食中毒の疑い)
  • 持病(糖尿病・心疾患・腎疾患など)がある/高齢者・乳幼児・妊娠中
    迷ったら早めに受診緊急性が高いと感じたら119番

予防法|今日からできる「熱中症にならない」生活習慣

1. こまめな補水と塩分

  • のどが渇く前に一口ずつ。汗を多くかく日は経口補水液やスポーツドリンクを活用。
  • コーヒー・アルコールは利尿作用があるため、水分補給になりにくいと知っておく。

2. 室内環境の最適化

  • エアコン・扇風機を我慢しない。カーテンやすだれで直射日光をカット。
  • 室温の目安は28℃以下、湿度は60%以下を意識(不快ならさらに涼しく)。
  • 高齢の家族には定期的に水分をすすめる

3. 服装と持ち物

  • 吸汗速乾の薄手インナー、通気性のよい衣服帽子・日傘
  • 保冷剤・携帯扇風機・塩分タブレットを活用。

4. 行動の工夫

  • 暑い時間帯(正午~15時)を避ける
  • 運動や屋外作業は短時間×休憩多め。前日は十分な睡眠
  • 体調が悪い日は無理をしない

5. 体調管理

  • 体重の急な減少(脱水)や、尿の色(濃ければ要補水)に注意。
  • 風邪や下痢がある日は特に脱水に注意
  • 糖尿病治療中の方は低血糖対策(携帯ブドウ糖)を日頃から。

よくある質問(FAQ)

Q1:熱中症と風邪は同時に起こる?
A:同時に起こることもあります。風邪で食欲が落ちて脱水気味になり、暑さで熱中症を誘発することがあります。風邪のときも意識して補水しましょう。

Q2:スポーツ中、急に足がつるのは熱中症?
A:熱けいれんの可能性があります。汗で塩分が失われると起こりやすく、水だけでなく塩分も補いましょう。

Q3:水とスポドリ、どちらがよい?
A:普段ののどの渇きには水でOK。大量の汗をかいたときは、スポーツドリンクや経口補水液が効率的です。

Q4:日射病と熱射病、どちらが重い?
A:重いのは熱射病です。意識障害や高体温を伴い、救急要請が必要です。日射病は熱中症の一種で、直射日光に長時間さらされると起こりやすい状態です。


まとめ「熱中症かも?」と思ったら

  • 熱中症は暑さと関係が強い。すぐに冷やす+水分・塩分
  • 風邪・日射病・食中毒・脱水症・低血糖症症状が似るが、発症のきっかけ(暑さ・食事・空腹・直射日光など)で見分けやすい。
  • 反応が悪い/飲めない/改善しない受診・救急車
  • 予防はこまめな補水・室内環境・服装・行動の工夫が基本。

ヤマの小話

今回のお話しはいかがだったでしょうか?(^^;

熱中症とそれ以外の病気って意外と当事者になると焦って判断が難しいんですよね~(*´Д`)

症状が軽ければ良いのですが、ちょっと症状が重くなると周りにいる人も焦ってどうすればよいか混乱してしまうんですよね…(>_<)

なので、ぜひこの相談窓口を活用してください!救急相談 #7119 です!ちょっと覚えにくい番号ですが、判断に迷ったらとりあえずここに電話して、具体的な状況を伝えて相談にのって貰ってくださいね。(^^;

この記事を作成したのは2025年8月31日ですが…、季節的にはもう秋の始まりで残暑という時期ですが…、毎日毎日熱中症アラートが出ているとんでもない暑さですね…。(>_<)

お店でもまだまだ経口補水液とスポーツドリンクは飛ぶように売れています…。いったいいつまでこの暑さは続くんでしょうね~、(*´Д`)

こんな時は体力を消耗しやすく風邪等の感染症にもかかりやすくなるのでなるべく、ストレスを解消して身体と心を休めてください。(´▽`)

ストレス解消ってなかなか難しいと思いますが、皆さんはどうすれば簡単にストレスが解消出来るか知ってますか?

意外なのですが一番簡単なのは、がむしゃらに身体を動かして滝のように汗を流すことが実は身体と心の両方を一度にリフレッシュさせるには良いようです!(*’▽’)

細かいメカニズムはいつかこのブログで深堀するとして、とにかく滝のように流れる汗をかけば、何とも言えない爽快感を感じられますので皆さんもぜひ一度試してみてくださいね(≧▽≦)

以上参考になれば幸いです。(´▽`)

今回のお話しと関連する事もあるので、もし良かったらこちらの記事もご覧くださいね(´▽`)

コメント

タイトルとURLをコピーしました