はじめに|花粉症とは?市販薬の選び方は?
春や秋になると、くしゃみや鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどに悩まされる「花粉症」。毎年つらい症状に苦しんでいる方も多いのではないでしょうか。
花粉症の薬には多くの種類があり、「どの市販薬が自分に合うの?」「眠くなりにくいものは?」「最新の市販薬はどれ?」と悩むこともあります。
そこで今回は、まず、そもそも花粉症って何なの?アレルギー反応って何?という疑問とそのメカニズムの説明と最新の市販薬を含め、花粉症の症状に合った薬の選び方を分かりやすく解説 します!市販薬の成分や特徴を知り、自分にぴったりの花粉症薬を見つけましょう。(*´꒳`*)

花粉症やアレルギー反応のメカニズムについて
私たちの体には、細菌やウイルスなどの「体に害を与える異物」を追い出すための「免疫」という仕組みがあります。この免疫が働くことで、健康を守ることができます。ただし、花粉症の場合は、この免疫が「花粉」という本来害のないものに対して過剰に反応してしまうことで症状が起こります。
花粉症が起こる流れ
- 花粉が体に入る
花粉が鼻や目の粘膜に付着すると、体はこれを「異物」として認識します。 - 抗体(IgE抗体)が作られる
花粉を攻撃するために「IgE抗体」という物質が作られます。この抗体は、粘膜にある「マスト細胞」にくっつきます。 - 再び花粉が入ると反応する
次に花粉が体内に入ると、マスト細胞から「ヒスタミン」などの化学物質が放出されます。この物質が鼻や目を刺激し、くしゃみや鼻水、目のかゆみといった症状を引き起こします。
ここはお薬の専門家らしく専門用語を入れて説明を入れてみました! ですが…、言葉は覚えなくて大丈夫です♪ 要は花粉等の異物が入るとヒスタミンという物が身体の中で発生してそれが悪さをするという事ですね。(^^;
アレルギー反応の特徴
- 免疫の誤作動: 本来は体を守る仕組みなのに、無害なもの(花粉など)に対して過剰に反応してしまいます。
- 症状: せき、鼻水、くしゃみ、目のかゆみなど。これらは異物を追い出そうとする体の働きによって起こります。
わかりやすく例えると
花粉症は、「警備員(免疫)が安全な人(花粉)を泥棒だと勘違いして追い出そうとしている」ようなものです。この勘違いによって、必要以上に騒ぎを起こしてしまうことで不快な症状が現れるのです。
このような仕組みで花粉症やアレルギー反応が発生します。
花粉症の症状別・市販薬の選び方
花粉症の症状は人によって異なり、薬の選び方も変わります。まずは、自分の症状に合ったタイプを確認しましょう。
① くしゃみ・鼻水がひどいタイプ
→ 抗ヒスタミン薬(第2世代)がおすすめ
花粉症のくしゃみや鼻水は、先程説明した通り体内で「ヒスタミン」という物質が放出されることで起こります。抗ヒスタミン薬は、ヒスタミンの働きを抑えて、くしゃみや鼻水を軽減 します。現在市販されている抗ヒスタミン薬には第1世代と第2世代の2つに別れています。ちなみに現在病院で処方されるお薬は、ほぼ第2世代のお薬のようです。
- 最新の市販薬 代表例:(第2世代)
- タリオンAR(田辺三菱製薬):有効成分はベポタスチンベシル酸塩、朝夕1錠ずつで、空腹時でも服用可能、速やかに体内に吸収され効果が24時間持続します。
- アレグラFX(久光製薬):有効成分はフェキソフェナジン塩酸塩。朝夕1錠ずつで、空腹時でも服用可能、ほぼ眠くならないのが特徴です。
- アレジオン20(エスエス製薬):有効成分はエピナスチン塩酸塩。1日1回の服用で効果が持続します。
- クラリチンEX(大正製薬):有効成分はロラタジン。1日1回の服用で効果が持続します。
- エバステルAL(興和):有効成分はエバスチン(5mg)1日1回就寝前に服用することで効果が持続します。眠気や口の渇きなどの副作用が比較的少ない点が特徴です。
- 昔ながらの市販薬 代表例:(第1世代)
- パブロン鼻炎カプセルSα(大正製薬):有効成分はマレイン酸カルビノキサミンと塩酸プソイドエフェドリン、ベラドンナ総アルカロイド、無水カフェイン。鼻水・鼻づまりに効果があります。
- ストナリニ(佐藤製薬):有効成分はクロルフェニラミンマレイン酸塩とダツラエキスとフェニレフリン塩酸塩。鼻水・鼻づまりに効果があります。
- コルゲンコーワ 鼻炎ジェルカプセルα(コーワ):有効成分はd -クロルフェニラミンマレイン酸塩と塩酸プソイドエフェドリン、ベラドンナ総アルカロイド、dl -メチルエフェドリン塩酸塩、フェニレフリン塩酸塩、無水カフェイン。鼻水・鼻づまりに効果があります。
ここで、抗ヒスタミン剤の第1世代と第2世代の違いを簡単に説明すると、以下のような特徴になります。
第1世代抗ヒスタミン薬
- 開発時期: 初期に開発された薬。
- 効果: 即効性があり、くしゃみや鼻水などの症状に強い効果を発揮。
- 副作用:
- 脳に移行しやすく、眠気・集中力低下が強い。
- 抗コリン作用(口の渇き・便秘・尿が出にくいなど)がある。
- 緑内障や前立腺肥大症の方には使用注意。
- 使用頻度: 最近は少なめでですが、症状が強い時には使用することもあります。
第2世代抗ヒスタミン薬
- 開発時期: 第一世代の欠点を改善するために開発された薬。
- 効果: 効果が持続しやすく、鼻づまりへの効果もあり。ヒスタミンの放出そのものを抑える「抗アレルギー作用」もある。
- 副作用:
- 脳に影響しにくいため、眠気や集中力低下が軽減。
- 抗コリン作用も少ないため、口や喉の渇き副作用が軽微。
- 使用頻度: 長期的な服用に適しており、現在では主流となっている。
解りやすく簡単に表にまとめます
特徴 | 第1世代抗ヒスタミン薬 | 第2世代抗ヒスタミン薬 |
---|---|---|
開発時期 | 初期 | 改善後 |
効果 | 即効性あり | 持続性あり |
中枢神経への影響 | 大きい(眠気・集中力低下) | 少ない |
抗コリン作用 | 強い | 弱い |
使用頻度 | 減少 | 主流 |
抗ヒスタミン薬の第1世代は昔から使われている薬で即効性がある一方、眠気や集中力の低下、口の渇きなどの副作用が強く、現在では使用頻度が減っていますが、急な症状に使われることがあります。これに対して、第2世代は副作用を抑えて効果が長持ちするよう改良された薬で、眠気が少なく毎日使いやすいため、現在では主流となっています。
② 鼻づまりがひどいタイプ
→ 点鼻薬(血管収縮剤・ステロイド)がおすすめ
鼻づまりは、鼻の粘膜が腫れて空気の通り道が狭くなることで起こります。市販の点鼻薬には、即効性のある血管収縮剤と、炎症を抑えるステロイド点鼻薬の2種類があります。
血管収縮剤入り点鼻薬(即効性あり)
血管収縮剤(ナファゾリン、オキシメタゾリン、テトラヒドロゾリンなど)が配合されており、鼻の血管を縮めることで即効的に鼻づまりを解消します。ただし、長期間使用すると「リバウンド」が起こり、かえって鼻づまりが悪化することがあるため、連続使用は原則として1〜2週間以内にしましょう。
- おすすめの市販点鼻薬 代表例:効き目強い順
- ナシビンMスプレー(佐藤製薬):市販薬で初めて持続性のある「オキシメタゾリン塩酸塩」を配合。1日1〜2回の使用で効果が続き、眠くなる成分は含まれていません。即効性と持続性ならこれがナンバー1です。
- AGアレルカット(第一三共ヘルスケア):アレルギーの原因物質の放出を抑える「クロモグリク酸ナトリウム」や、ヒスタミンの働きをブロックしてくしゃみ・鼻水を和らげる「クロルフェニラミンマレイン酸塩」、鼻づまりを改善する「ナファゾリン塩酸塩」、炎症をしずめる「グリチルリチン酸二カリウム」、さらに殺菌作用のある「セチルピリジニウム塩化物水和物」などを配合し、アレルギー性鼻炎のつらい症状を総合的に緩和します。
- ロート アルガードST鼻炎スプレー(ロート製薬):アレルギーの原因を抑える「クロモグリク酸ナトリウム」、くしゃみや鼻水を抑える「クロルフェニラミンマレイン酸塩」、鼻づまりをすばやく改善する「ナファゾリン塩酸塩」を配合し、不快な鼻の症状をしっかりケアします。専用ノズルで奥まで届き、薬が長くとどまる高粘度タイプです。AGアレルカットに近い処方です。
- パブロン点鼻(大正製薬):鼻づまりを改善する「ナファゾリン塩酸塩」、くしゃみや鼻水を抑える「クロルフェニラミンマレイン酸塩」、殺菌作用のある「ベンゼトニウム塩化物」を配合。霧状の細かい粒子が鼻の奥まで広がり、急性鼻炎やアレルギー性鼻炎による症状をスッキリ和らげます。
- ナザールスプレー(佐藤製薬):パブロン点鼻とほぼ同処方です。スプレー容器の性能が非常高く、使いやすく出来ています。
ステロイド点鼻薬(炎症を根本から抑える)
ステロイド点鼻薬は、鼻の炎症を抑え、長期間にわたって効果を発揮します。即効性はありませんが、毎日継続使用することで花粉症の症状をしっかり抑えることができます。
- おすすめの市販点鼻薬 代表例:
- ナザールAR(佐藤製薬):抗炎症・抗アレルギー成分ベクロメタゾンプロピオン酸エステルが鼻の炎症やうっ血を抑え、鼻の通りをよくします。一定量を噴霧でき、薬液が逆流しない衛生的なスプレーです。
- エージーアレルカットEXc(第一三共ヘルスケア):ナザールARと同処方です。
- パブロン鼻炎アタックJL(大正製薬):ナザールARと同処方です。
- フルナーゼ点鼻薬(ヘイリオン):有効成分フルチカゾンプロピオン酸エステル(ステロイド)が鼻スプレーが、鼻みず、鼻づまり、くしゃみの症状の鼻に直接効きます。ナザールARと同じ効き方です。
③ 目のかゆみ・充血がひどいタイプ
→ 抗アレルギー点眼薬 がおすすめ
目のかゆみや充血には、目専用の抗アレルギー薬が効果的です。一番下のロートアルガードには抗アレルギー成分は入っておりません。
- 最新の市販薬:効き目強い順
- ロート アルガード クリニカルショット(ロート製薬):効き目ナンバー1、アレルギーの原因を抑える「トラニラスト」、かゆみを止める「クロルフェニラミンマレイン酸塩」、炎症を抑える「プラノプロフェン」、目の栄養を補う「タウリン」などを最大濃度で配合。花粉によるかゆみ・充血・異物感にしっかり効く、高機能タイプの目薬です。従来品で効果を感じにくかった方にもおすすめです。
- AGアレルカットi(第一三共ヘルスケア):この目薬は、アレルギーの原因を抑える「クロモグリク酸ナトリウム」、かゆみを抑える「クロルフェニラミンマレイン酸塩」、炎症をしずめる「グリチルリチン酸二カリウム」、目のうるおいを守る「コンドロイチン硫酸エステルナトリウム」を配合し、アレルギーによるつらい目の症状をやさしくケアします。
- ロートアルガード(ロート製薬):「クロルフェニラミンマレイン酸塩」「グリチルリチン酸ニカリウム」「塩酸テトラヒドロゾリン」配合で、花粉やハウスダストによる目のかゆみや充血をやわらげるスタンダードな処方です。一番安価なものです。
まとめ&ヤマの小話
じゃあ結局のところ何をどう選んだら良いの?ってなりますよね…?これまでの説明はどこのサイトにでもあるありきたりな説明となります…。ありきたりな説明ですみません…。(-_-;)
でも、基本的な流れを説明をした上でなければ、結論だけを先に記載してもおそらく信用も納得も出来ないと思うのでどうかご理解ください。m(_ _)m
では、まず飲み薬が一番気になるところだと思うのでそちらから説明していきますね。
毎年ある程度の期間花粉症の症状が続いて辛い方には、第2世代の抗ヒスタミン薬をトップシーズンになる前から毎日きっちり飲み始めるのが一番良いでしょう。
なるべく低コストにしたい方は手間と時間がかかりますが病院へ行ってひと月分くらい処方してもらうのが安上がりです。
時間の無い方は市販薬のシーズン初めになるべく大容量のものを購入する方が良いです。病院よりも手軽な分、純粋にお薬代だけでみると高額になりますが、病院では初診料、診察代、処方箋代が別途で掛かるのでトータルでみると、市販薬より少し安いかな、ということになると思います。
シーズン中ずっと症状がある訳ではなく、トップシーズンのある一瞬だけ辛い方には、市販薬の第1世代の抗ヒスタミン薬をつらい時だけの服用で良いかと思います。第1世代の抗ヒスタミン薬に関しては色々なメーカーから出ているのでご自身が飲んだ事があって良かったものを購入されると良いと思います。
また、市販薬に関して言えば最近ではほぼどこのドラッグストアでも有名メーカーのお薬とほぼ同処方のプライベートブランドのお薬があると思われるのでそちらを購入されるとさらに安く済ませられるでしょう。(*’▽’)
目薬に関してですが、簡単に言えば目のかゆみは飲み薬ではどうにもなりません。なので目薬は目がかゆい方は我慢せずに安いものでもよいので使用する事をおすすめします。目のかゆみに関しても人それぞれ症状に差があるので、もうどうしようもなくつらい方はこのシーズンを少しでも楽に過ごす為にも1番良いものを選ぶ事をおすすめします。なので目薬に関しては自分の症状の度合いでどの価格帯にするか選んでいただくと良いでしょう。(*’▽’)
点鼻薬に関してですが、点鼻薬は基本的に鼻詰まり症状の酷い方は使用しましょう。
飲み薬でもある程度の鼻詰まりは改善するはずですが、飲み薬ではどうにもならない方もいらっしゃいます。鼻が詰まると口呼吸になるので口や喉は乾くし、息苦しさ、集中力の低下、睡眠不足、悪夢、睡眠で疲れが取れない、などの日常生活に支障を来たすことになります。
実は鼻詰まりに悩まされている方は意外に多いんです。何しろ私自身も慢性副鼻腔炎というアレルギー症状に苦しんでいます…。(>_<)
そんな私がおすすめする点鼻薬の選び方ですが、短い期間にトップシーズンのわずかな期間だけ使用するのであれば1番安い血管収縮剤の入っているもの、ナザールスプレーやそれらのプライベートブランド品で良いかと思います。
比較的年間通して鼻詰まりがひどく使用期間が長めな方はステロイドの点鼻薬を使用し、トップシーズンにそれだけでは効き目が感じられない時にプラスで瞬間的に血管収縮剤タイプを併用すると良いでしょう。
そこまで酷くないけど、ある程度の即効性を求め、なお使用期間が少し長い方は抗アレルギー効果もあるAGアレルカットクラスをおすすめします。
ちなみに、私自身は何を使用しているかというと、AGアレルカットと同処方の安価なプライベートブランド品を使用しています。これとさらにアレルギー症状の酷い時期にはステロイドの点鼻薬を使用してトップシーズンの鼻詰まりを乗り越えています。
AGアレルカットにも血管収縮剤が入っているので使用頻度が高いとリバウンドを起こし、かえって鼻詰まりを悪化させてしまう事があるので使用頻度には注意をしましょう。(*’▽’)
本当に辛くて即効性を求める方はナシビンMスプレーがダンドツで効きます。ですが、使用期間を短くするという事に十分注意するようにしてくださいね。(*’▽’)
私から言えることは、花粉症の症状を抑えるためには、自分の症状やライフスタイル、予算に合った市販薬を選ぶことが大切 ですね。(´▽`)
市販薬を上手に活用して、憂鬱な花粉の時期をなるべく快適に過ごしましょう!
さて、今回のお話はいかがでしたでしょうか?本当はもっと早くにこの話題のお話をしたかったのですが、なにぶんこの年度末というのは非常に忙しく記事の作成の時間を確保出来ませんでした…。(;o;)
次回からは旬な話題はもっとシーズン前に記事をあげたいと思います。( ´∀`)
以上参考になれば幸いです。(´▽`)
今回のお話しと直接的には関係ないですがもし良かったらこちらの記事もご覧くださいね(´▽`)

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